ふたみ苑で「第2回ノーリフティング研修会」を行いました!

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ふたみ苑ではより良いサービスを提供するため、定期的に勉強会を開催し、職員の知識と技術の向上を図っています。
今回は一般社団法人 全国ノーリフティング推進協会の研修を受けた職員が中心となり「第2回 ノーリフティング研修会」を開催。
福祉用具の正しい使用方法の動画を見たあとに、実際に福祉用具を使って介助する側、される側の体験を行いました。

ノーリフティングケアとは

介護する側、される側双方において安心・安全な「持ち上げない、抱え上げない介護」のことで、ご利用者さんの状態に合わせて適切な福祉用具を活用するケアのことです。
車いすやベッドから移乗する際に、人の力のみで移乗をせず、リフトなどの福祉用具を適切に活用することにより介護する側・される側の双方の負担が軽くなるメリットがあります。

前回の研修会では、スライディングボードを使った移乗体験を行いました。今回は、
・移乗シート
・介助グローブ
・移動式リフト
を使った介助体験を行っていきます。

移乗シート

移乗シートはすべりやすい生地でできた、筒状のシートです。
身体の下に移乗シートをすべり込ませると、生地同士がすべり合って摩擦を低減してくれるので、皮膚へのストレスが少なくなり、寝た状態で身体の上下左右の移乗が簡単に行えます。

抱えたり引きずったりと力任せの介助をすると対象者の筋緊張が高まり、拘縮発生リスクが上昇してしまいます。
そんな時、移乗シートを使って介助をすると筋緊張を和らげ、拘縮発生リスクを低減することができます。

介助グローブ

圧がかかっている部分に介助グローブをつけた手を差し込みすべらせることで、ストレス無く皮膚のずれを解消することができます。
すべりやすい素材なので、臀部などの重い箇所にも簡単に手を差し込むことが可能です。
皮膚のずれ解消の他にも、位置修正、ポジショニング、体位変換など様々な目的に使用でき、介助負担を軽減することができます。

実際にご利用者さんが使うベッドで背上げ*1して起き上がってみると、背中の皮膚が上に引っ張られることがわかります。背上げ時は皮膚のずれや圧迫で力がかかるため、圧抜きの介助はとても重要なケアなのです。

*1:背上げ・・・ベッドの背もたれが起き上がる機能

移動式リフト

安全で優しく吊り上げて移乗ができる、移動式リフト。
リフトを使うことで、人力介助での引っ張り上げ等で起こる褥瘡(じょくそう)や拘縮のリスクを回避することができます。
その他にも職員自身がご利用者さんを持ち上げないので、職員の腰の負担軽減、ご利用者さんへの身体的・精神的負担の軽減にもつながります。

吊り上げる前にシートの頭部は後頭部を、腰部はお尻を覆うようにし、センターが背中の真ん中に来るようにセットします。この時にきちんとセットできていないと、吊り上げた時に身体が傾いたり、落下してしまう恐れがあります。

お尻が浮いた状態になったら一度止め、大腿部と背中の圧迫を介助グローブを使って解消します。

介助する側と介助される側の両方を経験したことで、ご利用者さん目線で見るとどのように感じるのか、どのようなことに気をつけてするべきなのか、より明確に認識できました。

職員同士の意見交換も行い、たいへん有意義な時間になりました。
これからも研修会を開催し、質の高い、安心できるサービスが提供できるように取り組んでまいります。

特別養護老人ホーム ふたみ苑

住所:三重県伊勢市二見町三津1201-68