認知症とは?認知症の症状、加齢と認知症のもの忘れの違い、いい対応やってはいけない対応、家族がたどる4つの心理ステップまでご紹介! | HOWAGROUP:医療 介護 福祉の豊和グループ

認知症とは?認知症の症状、加齢と認知症のもの忘れの違い、いい対応やってはいけない対応、家族がたどる4つの心理ステップまでご紹介!

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特別養護老人ホームあらしま苑で職員が講師となり「認知症」の理解を深めるため勉強会を行いました!

認知症とは

さまざまな原因で脳の神経細胞が破壊・減少し、日常生活が正常に送れない状態になる脳の病気です。

 

以前、こちらのブログでは四大認知症について解説しましたが、今回は三大認知症に絞り、勉強会を開催しました。

三大認知症には「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」の3つがあり、認知症全体の約85%を占めています。

認知症の高齢者数は今後増加していくと予想されており、2025年には65歳以上の高齢者の20%(5人に1人)が認知症になると推定されています。その数およそ700万人。身近な人が発症してもおかしくない状況になっていきます。

脳血管性認知症とは

脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって神経細胞が死んでしまうことで起きる認知症。

脳卒中の発作を繰り返すたびに、神経細胞のダメージが大きくなるので、症状は段階的に重くなっていきます。

障害を受けていない部分の脳の機能は保たれるので、できることとできないことの差が、比較的はっきりしています。

 

発症しやすい年齢
50歳〜

発症の多い性別
男性に多い

人格面
人格は保たれやすい

症状
歩行・飲み込み・発語の障害が現れる。

抑うつ状態(元気がなくなるやる気のない状態)

感情失禁 (その場にそぐわない泣き笑い)

アルツハイマー型認知症とは

ベータタンパクという異常なたんぱく質が脳に蓄積するなどによって、神経細胞が死滅し脳が委縮して発症する認知症。

脳の委縮は、記憶を司る海馬という部分から起こり、次第に脳全体に広がります。

 

発症しやすい年齢
70歳前後

発症の多い性別
女性に多い

人格面
人格が変わることがある

症状
もの忘れを自覚せず、新しく体験したことを覚えられなくなる。

症状が進行すると、妄想・錯乱・徘徊等が現れてくる。

レビー小体型認知症とは

レビー小体(しょうたい)とは、脳の神経細胞の中に、ある種のタンパク質が固まったものをいいます。

これが記憶などと関係する部分に出現すると認知症を引き起こし、多くの場合、実際にいない人などが見える「幻視」がまず現れ、その内容も具体的です。

記憶障害などの症状もありますが、アルツハイマー病ほど強くはありません。

 

発症しやすい年齢
70才前後だが若年層にもみられる

発症の多い性別
男性に多い

人格面
人格は保たれやすい

症状
初期に幻覚・幻視・妄想が出るのが特徴です。

身体が硬くなる、動作が遅くなる、手の震え等のパーキンソン症状も見られます。

時間帯や日によって強く現れることもあれば、ほとんど現れないこともあります。

認知症の症状について

脳の細胞が壊れることによって直接起こる「中核症状」と、本人がもともと持っている性格、 おかれている環境、人間関係など様々な要因がからみ合って起こる「周辺症状」に分けられます。

 

「中核症状」(必ず出る症状)

・記憶障害…記銘力(きめいりょく:新しいことをおぼえる力)・記憶保持・想起力(あらためて過去の記憶を呼び起こす力)が低下

・見当識障害…時間・場所・人物の見当がつけられなくなる

・判断力の低下…日常生活等を手順よく計画的に処理できない

・言語機能障害…相手の言葉を理解できない

・実行機能障害…計画を立てる・順序立てる・具体的に進めていく能力が損なわれる

・失語…聴覚障害や構音障害(正しく発音ができない状態のこと)がないのに、言語の理解と表現が困難になる

・失行(しっこう)…手足の知覚、運動機能は保たれているのに、一定の目的・行為を正しく行うことができない

・失認(しつにん)…対象となるものが認識できない

「周辺症状」(必ず出るとは限らない症状)

・幻覚…幻視や幻聴

・妄想…非合理で訂正不能な思い込み

・睡眠障害…夜間の不眠など

・徘徊…あてもなく歩き回る

・依存…強い不安があるため誰かにいつも頼っていたいという気持ち

・抑うつ(よくうつ)…何に対しても興味を持てなくなる

・異食、過食…食べられるものの区別がつかない

・不安、焦燥

・攻撃的な行動

・収集癖

認知症のことを“知っている”のと“知らない”のでは、対応に大きな差が出ます。

本人、家族ともに認知症を知ることは大事なことです。

 

また人の脳は加齢とともに機能が老化し、記憶力、判断力、適応力などが衰え、もの忘れが増えていきます。

そこで「加齢によるもの忘れ」と「認知症のもの忘れ」の違いもご紹介します。

「加齢によるもの忘れ」と「認知症のもの忘れ」の違い

「加齢によるもの忘れ」

a.体験の一部を忘れる

b.記憶障害のみが見られる

c.もの忘れを自覚している

d.探し物も努力して見つけようとする

e.作話は見られない

f.日常生活に支障はない

g.きわめて徐々にしか進行しない

「認知症のもの忘れ」

a.全体を忘れる

b.記憶障害に加えて判断の障害や実行機能障害がある

c.もの忘れの自覚に乏しい

d.探し物を誰かが盗ったと言うことがある

e.見当識障害が見られる

f.しばしば作話が見られる

g.日常生活に支障をきたす

h.進行性である

認知症のいい対応・やってはいけない対応

認知症の方と接するには、認知症を理解することが必要です。

認知症の方は自分が誰だかわからなくなり、記憶が失われていくことへの不安を感じています。

「認知症の本人には自覚がない」というのは大きな誤りです。

「誰よりも苦しいのも悲しいのも本人である」ということを心にとめて接するようにしてください。

「いい対応」

・自尊心を尊重する

・話をよく聞き、同じ話でも真剣に聞く

・本人の意思を尊重する

・間違いであっても受け入れ、怒らない

・納得できるように話す

・近寄って話す

・声かけを多くする

・生活環境を整える

・不安にさせない

・認知症の方のペースに合わせる

「やってはいけない対応」

・だます

・子ども扱いする

・無視する

・怖がらせる

・後回しにする

・非難する

・急がせる

・能力を使わせない

・中断させる

・侮辱する

・強制する

・差別する

・わかろうとしない

認知症の方の行動には「意味」があります。

なぜそのような行動に出るのか、その方の価値観やそれまでの人生を考えて接していくことが必要です。

脳の障害によってずれが生じてしまっている表現の仕方や行動に対し、否定せずに「受け入れる」ことが何より大切となります。

認知症介護をおこなう家族がたどる「4つの心理ステップ」

第1ステップ「とまどい・否定」

異常な言動にとまどい、否定しようとする。
他の家族にも打ち明けられずに悩む。

 

第2ステップ 「混乱・拒絶・怒り」

認知症への理解の不十分さからどう対応してよいかわからず混乱し、ささいなことに腹を立てたり叱ったりする。

精神的・身体的に疲労困ぱい、拒絶感・絶望感に陥りやすいもっともつらい時期。

 

第3ステップ「割り切り」

怒ったりイライラしても何もメリットはないと思い始め、割り切るようになる時期。

症状は同じでも、介護者にとって問題としては軽くなる。

 

第4ステップ「受容」

認知症に対する理解が深まって、認知症の人の心理を分かることができるようになる。

認知症である家族のあるがままを受け入れられるようになる。

まとめ

認知症発症時に不安を抱くのは本人だけでなく、周りも同様です。

認知症は治すことはできませんが、緩和させることができる病気です。

症状をうまく緩和させることで、長期に渡ってその人らしい生活を続けることができます。

 

今回のブログで認知症の理解を深め、一人でも多くの人がその人らしく過ごせると嬉しい限りです。

施設でも勉強会の内容を日々のサービスに活かし、その人らしい生活を支えていきます!

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