介護食と聞くと、滑らかで飲み込みやすい食事を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ですが飲み込みやすい一方で、飲み込んだ時に食べ物が勢いよく喉の奥に飛び込んでいきやすく、誤って気管に入ってしまいやすいという一面があります。
この誤って気管に飲み物や食べ物が入ることを誤嚥(ごえん)と言います。
普通は誤って気管に食べ物が入ってしまったら、反射的に咳き込む、むせるという動作によって、入り込んだ異物を排出します。しかし、この機能が加齢に伴い鈍ることで、排出できなかった異物が肺に残り、肺の中で炎症が起こる「誤嚥性肺炎」を招く原因になってしまいます。
誤嚥性肺炎を防ぐためにも自分に合った介護食を食べるようにしましょう!
介護食とは
咀嚼力(噛む力)や嚥下力(飲み込む力)の機能が弱っている方が、安全に食べられるよう工夫した食事。
今回の介護食ブログ作成に協力いただいた特別養護老人ホームふたみ苑では4種類の介護食を提供しています。
介護食4つのタイプ
①粗切り食
通常の食事を一口大にカットした形状の食事のこと。
噛む力が弱くなり、硬いものや大きいものを噛み切ることができなくなった方に提供しています。
②やわらか食
細かく刻み、ばらつかないようにまとめた食事のこと。
刻んだだけでは、ばらつくため、誤嚥を起こすリスクが上がってしまうので
ふたみ苑ではミキサーゲルという粉でまとめています。
咀嚼力(そしゃくりょく)が低下している方に提供しています。
③ムース食
ミキサーにかけ、ゼリー食用の粉末で固めた食事のこと。
口の中でばらけにくいため、誤嚥のリスクが低くなります。
ふたみ苑ではソフティアGという粉で固めています。
嚥下力低下により、飲み込みが困難となってきている方に提供しています。
④ミキサー食
ミキサーにかけ、とろみ剤でとろみをつけた食事のこと。
ふたみ苑ではつるりんこPowerfulという粉を使用し、とろみをつけています。
嚥下力が低下している方や、口を開きにくい方に提供しています。
自宅で介護食を作るときのポイント
☆食べやすいように、軟らかく煮る、蒸す。圧力鍋を使う。
☆繊維質のもの(レンコン、ゴボウ等)は、重曹を使用して軟らかくする。
☆肉は繊維質を断つように切り込みを入れる。
☆片栗粉を使用し、とろみをつける。
食べることを楽しむことは人生を楽しむこと。
安全性や栄養面に配慮し、笑顔で食卓を囲めるようにしていきたいものです。
どのような食事のタイプが合っているかわからない場合は、医師に相談してみましょう。