徘徊をする人は「なぜ徘徊するのか?」その行動の”目的”を理解することが大切です。
何度も繰り返すからと怒ったりせず、普段の会話や行動パターンから
本人が納得のいくキーワードを探し、対応の引き出しを増やしましょう。
徘徊トイレ編(0'14)
『自宅のトイレがどこにあるのか把握できず、廊下を歩き続ける』
●パターン①”用を足したい”という目的がある場合:
このような場合は生活の動線、トイレへの動線を予め作っておくことが大切です。
見守りを行いながら、トイレへと導くことで対応します。
●パターン②トイレに”到着する”ことが目的の場合:
パターン①と同様、見守りを行いながら、トイレへ導くことで対応。
「一緒に少し休もうよ」と椅子を持っていき
隣に座って休憩するよう声かけしましょう。
●パターン③尿意はないが何度もトイレへ行こうとする・トイレと自室を行き来する場合:
本人が納得いくまで行かせてあげましょう。
納得すると行動が落ち着く場合があります。
その際トイレの安全・清潔面に配慮し見守ります。
●パターン④トイレで用を済ませた後、すぐに尿意がある場合:
様子を見て、トイレに行く頻度が通常でない場合は
膀胱炎など何らかの症状の疑いがあるため、専門医に相談しましょう。
目的を理解すると、本人が納得する対応ができるので
徘徊行動が落ち着きやすくなります。
徘徊探し物編(1'57)
『探し物があり同じ行動を繰り返したり歩き続ける』
●パターン①探し物を探している状況に不安を感じている場合:
「一緒に探そうか?」と安心する声かけを行いましょう。
よく探しているものであれば「茶色い財布のこと?それなら預かっているよ」と
本人の納得のいくキーワードをコミュニケーションの中で増やしましょう。
●パターン②実物を見ないと納得しない場合:
その人に渡すことで落ち着く場合は渡しましょう。
渡した後、紛失することでトラブルになるような貴重品などを探している時は
代用できるものを渡し「壊れてしまったから新しいものに変えたよ」などと声をかけましょう。
●パターン③実物しないものを探していて実物を見ないと納得しない場合:
例えば財布である場合は、探している財布とは違う特徴のものでも”財布”を見せ
「水がかかったから色が変わってしまったみたいだね」など、
説明し本人が納得のできる声かけを行いましょう。
日常的に、本人の行動の目的や想いを知るコミュニケーションをとり
よく探しているものなどの色や形を把握し具体的に伝え、
「預かっている」「ここに片付けた」と少しでも
本人が理解する伝え方をすると安心するケースが多くみられます。
徘徊外出編(3'54)
『現実的じゃない理由で外出をしようとする』
●パターン①「自分の家に帰る」と、自宅から外へ出かけようとする場合:
馴染みの家具や表札・郵便物を見せ
「ここが自宅だから安心してゆっくりしてね」と声をかけましょう。
また、危険性など配慮した上で問題がなければ、外へ行かせてあげましょう。
その際、遠くから見守る、又はGPS付の携帯電話や腕時計などを使用し
常に居場所が確認できるようにしましょう。
ある程度の時間が経ったら迎えにいきます。
例えば、車で迎えに行き「今から家に帰るけど一緒に乗っていく?」など
本人の納得のいくように、自宅へ帰らせてあげましょう。
●パターン②携帯電話や腕時計などのGPSを紛失する可能性がある場合:
カレンダーを見せ「今日は日曜日で休みだから明日にしようね」や
「今日は雨だから休みだね」と曜日や天気で本人が納得のいくよう声をかけましょう。
「退職しているよ。ゆっくりしてね」と声をかけるのも一つですが、
まずは本人の意思を受け入れることが大切です。
●パターン③実際に家からすぐに行ける距離での用事
「畑の様子を見に行きたい」などが理由の場合:
危険がなければ行かせてあげましょう。
「夕方5時までに帰ってきてね。ご飯の時間だから。」と
時間の約束をするなど声をかけ見守り、
時間になっても帰ってこなければ迎えに行くなどの対応をとりましょう。
時間帯によっては車通りが多かったり、
外灯の少ない地域では暗くて溝に落ちてしまう可能性があるなど
危険が生じる場合は、見守りやその場の状況に応じた声かけが必要ですが
安全面に問題がなければ思うように行動させてあげることで
本人が納得し、目的が達成されることがあります。
徘徊危険な場所への進入編(6'39)
『車道や線路に侵入する』
危険がある場合は声かけを行い、制止してください。 否定したり、否定したまま放置をするとうつ病などの精神病につながる可能性があります。
否定した声かけではなく何故その行動を取ったのか確認をし
その人の想いの丈を存分に聞くことが大切です。
”否定をしない=肯定をする”のではなく
その人の想いや目的を受け止め、対応するようにしてください。
今回ご紹介した内容が必ずしも正解ではありません。
その場の状況や環境により対応は異なります。
また、介護が大変な場合は無理をせず、
各種介護サービスの利用も検討しましょう。
利用に当たって不安や質問がある場合は
お気軽にホームページよりお問い合わせください。
今回の動画を参考に、より良い介護ライフを送ってくださいね!
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今回の階段の上り下りは、①自力での階段の上り下り②介助ありでの階段の上り下りのご紹介です。